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Adobe Premiere Pro CCは、ノンリニア編集ソフトのデファクトスタンダード(業界標準)か!?

Adobe Premiere Pro CCが凄いことになってきた!

Adobe Premiere Proは、これまでもFinal Cut Pro、EDIUSと並んで映像業界における三大ノンリニア編集ソフトとして認知されてきた。 しかし、これまで業界標準的なポジションに君臨してきたFinal Cut Pro 7がFinal Cut Pro Xとなり、大幅に仕様変更されたことを起因に、業界での風向きが大きく変わってきた。Premiere Pro CS5.5、CS6あたりで徐々にFinal Cutからの乗り換えが目立つようになり、現在のCCに至っては、もはや業界標準と言っても過言ではなくなった。では、Premiere Pro CCの何が支持されているのだろうか。

ネイティブで編集できるデータが増えた!

特筆はApple ProResがネイティブで編集、エンコーディング(Mac OS 10.8のみ)ができるようになったことだ。これまでは無償プラグイン対応だったが、CCでは標準装備された。プラットフォームに関係なくApple ProResファイルが編集でき、MXFでラッピングされたAvid DNxHDファイルをクロスプラットフォームでサポートしている。またXAVCやAVC-Intra 200にも対応し、より多彩なフォーマットのネイティブ編集が可能になった。例えば、廉価なサードパーティー製の外部レコーダー(ATOMOS等)での収録は、Apple ProRes、Avid DNxHDが多く、XDCAM、P2を始めほとんどのカメラメーカーのコーディックに対応している。中間コーディック変換が必要なければ、編集時に大きなアドバンテージが得られるのは自明の理である。

【対応フォーマット一覧】
http://www.adobe.com/jp/products/premiere/extend.html

最近ではPremiere Pro CS6を使ったファイルベース(MXF op1a:XDCAM)でのCMデータ入稿も徐々に普及してきたようだが、 Apple ProResで直接エンコーディングできれば、ファイルベースからテープダビングという定番のワークフローにもスムーズに適応できる。どう考えても利便性が格段に向上したのではないだろうか。

映像編集に不可欠な機能がバランスよく装備されている

基本的なエフェクトやトランジション、高度なスタビライズ機能やマルチカメラ編集機能など、必要不可欠な機能がバランスよく装備されている。Final Cut Pro Xもバージョンアップで改善されているようだが、現在のCCには及ばないというのが業界内の多くの意見ではないだろうか。なぜ、Final Cut Proがこうした状況になってしまったかは、メーカーのみが知るところだが、一度離れてしまったユーザーを取り戻すのは容易ではないだろう。

残念なのはEncoreとの連携がなくなったこと

EncoreとはDVDやBlu-rayに書き出したり、チャプターメニューなどを作成するアプリケーションである。VPを多く制作しているクリエーターであれば、納品データがDVDというケースは、まだまだ多いはずだ。しかし、Adobe Encore(アンコール)CCというアプリケーションは存在しない。EncoreはCS6からバージョンアップしていないため、DVDやBlu-rayに書き出す作業は必然的にEncore CS6を使わなければならない。Adobeの対応としては、CCのクラウドユーザーにはPremiere pro CS6 Familyとして関連アプリケーションの一括ダウンロードが可能であり、Premiere pro CS6 Familyをダウンロードすれば、Encore CS6も含まれるため、CCでMPEG2-DVDで書き出してから、アセットとしてEncore CS6の新規タイムラインパネルに読み込むことになる。読み込んだ後は、これまで通りのタスクでDVDに書き出すことが可能になる。

【Premiere pro CS6 Family】

Premiere pro CS6 Familyをインストールした後、Premiere pro CS6をアンインストールしても、ライセンス解除した状態でアンインストールしない限り、Encore CS6は使用できる。但し、一度Premiere pro CS6をアンインストールしてしまうと、単体での再インストールができない。 その場合は、一旦Premiere pro CS6 Familyのすべてをアンインストールし、改めてインストールしなければならない。

After Effects CCを始め、他のAdobeソフトとの親和性は無視できない

言うまでもなくグラフィック系の定番ソフトはPhotoshop、Illustrator、モーショングラフィックスやVFXの定番ソフトはAfterEffectsであり、すべてAdobe製品である。オペレーション上の連携や親和性が高ければ、それだけスムーズなワークフローが確立できる。カメラブレを修正するエフェクト「ワープスタビライザー」が、CCの標準機能になったことも歓迎すべき仕様である。

これまではダイナミックリンク経由でAfterEffectsにアクセスし、AfterEffectsコンポジットを読み込む方式だったが、処理に時間がかかったり、ロースペッククマシンでは頻繁にエラーも発生した。これは筆者の環境だけかも知れないが…(笑)また、業界標準的な位置付けとなることで、サードパーティー製のプラグインにも柔軟な対応が予想される。 既に確固たる地位を確立したAfter Effectsと共に、クラウドベースになったことで定期的なバージョンアッを含め、今後の仕様にも多いに期待できるのではないだろうか。まさに、Premiere proはFinal Cut Proの間隙を突いて、一気に業界標準の地位に上り詰めた感じである。

【出典】
Adobe Premiere Pro CC / 機能
http://www.adobe.com/jp/products/premiere/features.html
おかげさまで、国内導入シェアNo.1! – Adobe Premiere Pro http://blogs.adobe.com/focusin/2013/10/adobe-premiere-pro-share.html

2013.10

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